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なぜ歯医者は自費診療をすすめるの?その本当の理由を知ろう

なぜ歯医者は自費診療をすすめるの?

「保険でできるのに、なんで高い方をすすめるの?」
「えっ…それって保険じゃできないんですか?」
歯科医院でこんなふうに驚いた経験、ありませんか?

「保険診療じゃダメなんですか?」
「自費診療って高くないですか?」
「なんでわざわざそっちをすすめるの…?」

こんな疑問やモヤモヤを抱いたまま、説明を聞いてもいまいちピンとこない…という方は少なくありません。

でも実は、歯医者さんが自費診療をすすめるのには、きちんとした理由があるんです。しかもその理由は、歯医者さんの“利益”のためじゃなくて、患者さんご自身の未来を見据えた提案であることも多いのです。

このコラムでは、「そもそも自費診療って何?」「本当に必要なの?」「なぜすすめられるの?」といった疑問にお答えしながら、納得して治療を選ぶためのヒントをお伝えしていきます。

自費診療って高いし、本当に必要なの?

「保険がきかない=無駄に高い」って思ってませんか?でも実は、歯医者さんが自費診療をすすめる背景には、患者さんの“長期的な利益”や“満足度”が関係しています。単なる利益目的ではないケースも多いんです。

高く感じる自費診療には、実は“納得の理由”があります。

「保険がきく治療で済むなら、それで十分じゃない?」
「なんでわざわざ高い方をすすめてくるの?」

こんなふうに思ったこと、ありませんか?
でも、ちょっとだけ視点を変えてみてください。たとえば、

  • ファストフードと手の込んだレストランの料理
  • 合皮の靴と本革の靴
  • 一般的なスーツとオーダーメイドのスーツ

これらは、どちらが「正解」ではなく、それぞれに価値と目的があります。歯科治療もまさに同じ。「機能を最低限保つ」のが保険診療、「機能+見た目+長持ち+快適さ」まで求めるのが自費診療、という違いです。

じゃあ、自費診療が“本当に必要”になるのはどんなとき?

次のようなケースが多いです

前歯の治療で、見た目の自然さが気になるとき
→ 保険内の素材だと、色が浮いて見えたり、金属のラインが見えたりすることがあります。

金属アレルギーがある方
→ 保険診療で使用される金銀パラジウム合金は、アレルギーのリスクがあるため、セラミックやジルコニアなど金属を含まない素材を使う自費診療が適しています。

長期的に再治療を避けたいとき
→ 保険の被せ物や詰め物は数年で再治療になることも多いですが、自費診療で選ばれる素材はしっかりメンテナンスすれば10年以上持つケースも珍しくありません。

もちろん、すべての患者さんにとって自費診療が「絶対に必要」というわけではありません。でも、“より良い治療を選びたい”という希望があるなら、自費診療はその選択肢のひとつとして知っておいて損はないのです。

自費診療=高いだけの贅沢品、ではありません。
「必要な方には意味のある選択肢」であり、
一人ひとりの希望やお口の状態に合わせて提案されるものです。

「高いからやめておこう…」と決めつける前に、まずはその理由や価値をしっかり聞いてみる。それが後悔のない治療選びの第一歩になりますよ。

保険診療と自費診療、迷うのは当然です

多くの患者さんが「自費診療をすすめられて戸惑った」「お金がかかるのが心配」と感じています。でも、その悩みはすごく自然なこと。制度が複雑で、説明を受けないと違いが分かりにくいからなんです。

自費診療で迷うのは、当たり前のことです。

よくある不安の声

「保険で治せるなら、それで十分じゃないの?」

「なんでわざわざ高い方をすすめるの?」

「何が違うのかよくわからない…」

これらの不安を解消するには、歯医者さんがなぜその選択肢を提示してくるのかを知ることが大切です。

自費診療をすすめる“本当の理由”とは?

歯医者さんが自費診療をすすめるのは「治療の質」「見た目」「耐久性」など、総合的に見てベストな選択肢と考えているからです。患者さんの将来の不安を減らすための提案なんです。

“より良い治療”を実現するための提案です。

具体的な理由は以下の通り:

材料の自由度が高い
→ 自費ではセラミックやジルコニアなど、見た目や強度に優れた素材が使用できます。

治療の幅が広がる
→ 保険では制限されている技術や方法も、自費なら選択肢にできます。

長持ちする可能性が高い
→ 自費診療で使われる素材や技法は、メンテナンス次第で10年以上保つケースも多くあります。

見た目の自然さを追求できる
→ 前歯などの審美領域では、自費なら色や形を細かく調整可能です。

その結果、患者さんの満足度が高く、将来的な再治療リスクも減らせるというメリットがあります。

保険診療と自費診療の具体的な違い

「違いがよく分からない」という声にお応えして、保険と自費の違いをわかりやすく比較します。

それぞれにメリット・デメリットがあります。

項目 保険診療 自費診療
費用 安価で一定 高額になるが選択肢豊富
素材 金銀パラジウム合金など限られる セラミック・ジルコニアなど
審美性 限定的 見た目を細かく調整可能
耐久性 数年で再治療が必要なことも 長持ちする傾向がある
技術の幅 制限あり 最先端の治療も選べる

患者さんにとって最適な治療は、状況によって変わります。安く済ませたいのか、長く安心したいのか、目的によって選択肢を見極めることが大切です。

あなたに合った選択のために知っておくべきこと

すべての患者さんに自費診療が必要なわけではありません。でも、保険診療だけではカバーしきれないケースがあるのも事実です。だからこそ、説明を受けた上で納得して選ぶことが重要です。

納得して選ぶための「理解」が必要です。

チェックポイント

見た目や違和感が気になる箇所の治療か?

過去に治療した部分がすぐ取れたり壊れたりしていないか?

長く使いたい部位かどうか?

金属アレルギーなどの不安はあるか?

これらのポイントに当てはまる場合は、自費診療を前向きに検討しても損はありません。

まずは率直に相談してみよう!

「すすめられると断れない…」という方も、遠慮せずに歯医者さんに相談してみてください。最近は、メリットもデメリットもきちんと説明してくれる歯科医院も増えています。

不安や疑問は、まず相談するのが第一歩です。

正しい情報を知った上で、自分に合った選択をすることが“後悔しない治療”への一番の近道です。

まとめ

“高い”じゃなく“価値がある”かどうかで考えてみよう

「自費診療=高額で贅沢な治療」と思われがちですが、実際は“必要な人にとって価値のある選択肢”であることが多いのです。

見た目の自然さ、長持ちする素材、アレルギーへの配慮、そして再治療のリスク軽減など。
自費診療には、保険診療ではカバーしきれないメリットがあります。

もちろん、全ての患者さんに自費診療が最適とは限りません。だからこそ、「おすすめされた=選ばなきゃいけない」ではなく、「自分に合った治療法を知るための提案」ととらえて、まずはしっかり相談してみることが大切です。

最後に、迷ったときのヒントをもう一度

  • 「この歯は見た目も大事?」
  • 「できるだけ長く使いたい?」
  • 「過去に治療した場所がすぐ壊れた経験はある?」
  • 「金属アレルギーがある?」

ひとつでも当てはまるなら、自費診療は“前向きに検討すべき選択肢”になり得ます。

患者さん自身が納得して治療を選べるよう、歯科医院はそのサポートをしてくれる場所です。疑問や不安はためこまず、まずは気軽に相談してみてくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック