インプラント

高齢でも安心して受けられるインプラントとは?失敗しない治療の選び方

高齢でも安心して受けられるインプラントとは?

クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人

年齢を理由にあきらめないで。高齢でも安心できるインプラント治療は選び方次第で実現できます。

「高齢だから、インプラントは無理かもしれない…」
そんな不安を抱えていませんか?結論から言うと、年齢そのものがインプラントの適応を妨げる要因ではありません。重要なのは、全身状態、口腔内の環境、そして信頼できる歯科医院を選ぶことです。

この記事はこんな方に向いています

  • 70代以上でインプラントを検討している方
  • 高齢のご家族にインプラントを勧めたいと考えている方
  • 安心・安全な治療法を選びたい方

この記事を読むとわかること

  1. 高齢者がインプラントを受ける際のチェックポイント
  2. 安心できる歯科医院の選び方
  3. 高齢の患者さんでも成功しやすい治療計画の立て方

 

高齢者のインプラント治療で重要なのは「全身の健康状態」

高齢になってもインプラント治療が可能かどうかは、「年齢」そのものよりも「全身の健康状態」が大きく関係します。たとえば、糖尿病や高血圧といった持病がある場合でも、きちんとコントロールされていれば問題ないケースが多いです。

また、心臓病や骨粗しょう症など、治療や服薬の状況によっては注意が必要です。インプラント手術にはある程度の体力も必要となるため、事前に医科と連携して、血液検査や心電図などで身体の状態をしっかり確認することが、安全で安心な治療につながります。

高齢でも体が健康ならインプラントは可能です。

  • 糖尿病や高血圧などの持病がコントロールされていれば問題なし
  • 手術に耐えられる体力があるかどうかがカギ
  • 骨粗しょう症の薬を服用している場合は注意が必要

体の健康状態がしっかりしていれば、年齢を重ねていてもインプラントは十分に可能です。事前に内科医と連携して安全性を確認することが大切です。

インプラントの前に「歯周病」の有無をチェックしよう

インプラントを長く安全に使うためには、インプラント治療前の口腔環境の整備が非常に重要です。特に注意が必要なのが「歯周病」で、これは歯垢による細菌感染によって歯ぐきや顎の骨がダメージを受ける病気です。

歯周病がある状態でインプラントを埋入すると、「インプラント周囲炎」というトラブルが起きやすくなり、せっかくのインプラントが脱落してしまう可能性もあります。治療前に歯周病の有無をチェックし、必要に応じてしっかり治療しておくことで、インプラントの寿命を延ばすことができます。

歯周病があるとインプラントの成功率が下がります。

歯周病は歯垢によって引き起こされる感染症

  • インプラントの周囲に炎症が起きると「インプラント周囲炎」に
  • インプラント前に歯周病治療と口腔清掃の指導を受けよう

歯周病のある患者さんは、インプラントの脱落リスクが高まります。安心して治療を受けるには、まず口の中の健康を整えることが第一歩です。

高齢者でも安心して使える「短いインプラント」や「即時荷重」も選択肢

高齢の患者さんにとっては、体への負担をできるだけ軽くする治療法の選択が安心につながります。たとえば、顎の骨が痩せている方には「ショートインプラント(短いインプラント)」が適していることがあります。従来なら骨造成が必要だったケースでも、骨量が少なくても対応可能なタイプのインプラントを使うことで、手術のリスクや治療期間を軽減できます。

また、「即時荷重」と呼ばれる、抜歯と同時にインプラントを埋め込んで仮歯を装着する方法では、通院回数の削減や治療スピードの短縮が期待できるため、通院が負担になる高齢の方にも有効です。

高齢者に向いたインプラントの種類もあります。

  • 骨が薄い場合には「ショートインプラント」が有効
  • 即時荷重(抜歯と同時にインプラント)で通院回数を減らせる
  • 骨造成が難しい場合にはマグネットデンチャーも検討

体への負担を抑えつつ、しっかり噛める状態を作る方法は複数あります。歯科医としっかり相談しましょう。

信頼できる歯科医院の選び方とは?

高齢の患者さんが安心してインプラント治療を受けるためには、医院選びが非常に大切です。具体的には、丁寧にカウンセリングを行い、治療の内容やリスクをわかりやすく説明してくれる歯科医院を選ぶことがポイントです。

また、持病のある方に対しては医科と連携をとりながら治療を進めてくれる医院が理想的です。さらに、CTや3Dシミュレーションなどの最新設備があるかどうか、これまでに高齢者のインプラント治療を多く手がけてきた実績があるかどうかなどもチェックポイントになります。

患者さんに寄り添った治療をしてくれる医院を選ぶことで、治療中も治療後も安心して過ごすことができます。

医院選びで治療の満足度が大きく変わります。

以下のポイントを参考にしてください。

  1. カウンセリングにしっかり時間をとってくれる
  2. 医科との連携ができている
  3. CTや3Dシミュレーションなど設備が整っている
  4. 高齢者へのインプラント実績がある

医院の選び方ひとつで、治療の結果や気持ちの安心度は大きく変わります。口コミや相談会なども活用して、納得のいく医院を選びましょう。

高齢でも安心なインプラント治療のためのチェック表

以下のチェック表を参考にしながら、あなたに合った医院や治療法を見つけましょう。

チェック項目 内容の説明 安心ポイント
全身の健康状態の確認 糖尿病・高血圧・心疾患・骨粗しょう症などの持病の有無、体力レベルを確認。必要に応じて内科医と連携。 手術の安全性が高まり、治療リスクが減少します。
歯周病の有無と口腔環境の確認 歯垢の除去・歯周病治療を事前に行い、インプラント周囲炎のリスクを低減。 インプラントを長く安定して使えるようになります。
インプラントの種類と治療法の選択 骨が少ない場合にはショートインプラントや即時荷重などの選択肢も。体への負担を減らした治療計画を立てる。 高齢者でも無理なく治療を受けられます。
歯科医院の設備と対応力のチェック CTや3D診断、医科連携の有無、症例数、治療後のサポート体制などを確認。 安全性と信頼性の高い治療が期待できます。
治療後のメンテナンス体制 定期的な健診や歯科衛生士によるケアの継続が可能か。訪問対応の有無などもチェック。 インプラントの寿命を延ばし、健康な口腔状態を維持できます。

この表のように、インプラント治療は「入れる」ことよりも、「安全に長く使う」ことを見据えた準備と医院選びが大切です。とくに高齢の患者さんにとっては、体力的・時間的な負担も考慮しながら、ライフスタイルに合わせた治療計画を立てることが、治療満足度を大きく左右します。

インプラント治療後のケアこそ「安心の決め手」

インプラントは「入れて終わり」ではなく、治療後のケアがとても重要です。毎日の歯磨きはもちろん、歯科衛生士による定期的なメンテナンスや健診を通じて、インプラントの周囲に歯垢がたまらないように管理していく必要があります。特に高齢の患者さんは、加齢に伴って唾液の分泌が減少しやすいため、口腔内が乾燥しやすく、歯垢がたまりやすい環境になります。

これによりインプラント周囲炎が起きやすくなるため、日頃からの予防意識がとても大切です。ケアを怠らず、しっかりとしたメンテナンスを続けることで、インプラントは長期間にわたって安心して使い続けることができます。

ケアを怠るとインプラントは長持ちしません。

  • 毎日の丁寧な歯磨き
  • 歯科衛生士による定期的なプロケア
  • インプラント周囲炎を早期発見・早期治療

インプラントは人工物ですが、ケアの手を抜けばトラブルのリスクが高まります。日々の習慣とプロによるサポートが安心を支えてくれます。

まとめ

高齢でも安心なインプラントは「準備」と「医院選び」で決まる

インプラントは高齢だからといってあきらめる必要はありません。むしろ、しっかり準備し、信頼できる医院を選び、治療後のケアを続けることで、快適な生活を取り戻せる手段になります。

特に、次の3つのポイントが重要です。

  1. 体の状態を医科と連携して確認
  2. 歯周病の治療と口腔ケアの徹底
  3. 自分に合ったインプラントの種類と医院の選定

インプラントを通じて、食事を楽しめる喜びと生活の質の向上を手に入れていきましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

▶プロフィールを見る

クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック