インプラントしたいけれどお金がないからと心配される方もおられます。インプラント治療は、事故やむし歯などで歯を失った部分に金属製の人工歯根(インプラント)を埋め込み、その上に固定式の人工歯を取り付ける治療法です。ただし多くの場合、保険が使えない自由診療となり、治療費が高額になりやすいのが実情です。

そのため、インプラントのまとまった費用を用意できないと悩む方も少なくありません。この記事では、インプラント治療の費用相場を整理したうえで、お金がないときに検討できる現実的な対処法をわかりやすく解説します。

こんな方におすすめ

  1. インプラントを検討しているが費用面で迷っている
  2. どうしてこのような高額になるのかがわからない
  3. お得な情報があれば知りたい

この記事でわかること

  1. インプラントが高額な理由
  2. 利用することで得られるメリット
  3. 知らないと損する注意点
  4. インプラント以外の治療法の特徴

インプラントはなぜ高額になるのか

インプラント治療が高い理由は、インプラントを入れて土台を作り、人工の歯を入れるだけではなく、外科手術と精密医療と長期的な機能回復を要する治療だからです。虫歯治療などの保険診療とは異なり、多くの工程が自由診療となるため、費用が自己負担になり高くなります。主な費用の内訳を挙げていきましょう。

精密検査
歯科用CTで撮影し、歯科医師が診断を行う
外科手術
欠損部分への人工歯根の埋入をして、顎骨とインプラントの結合を待つ
上部構造
人工歯である被せ物の作製をする
技工費
色味や大きさなどを患者さん自身の天然歯に近づけるためオーダーメイドである

その他にも、衛生管理及び設備コストや、術後のメンテナンス体制も整っていなければなりません。

詳しく知りたいインプラントの費用差

インプラント費用は一律ではなく、いくつかの要素で変わります。

インプラントの種類やメーカー

メーカーや製造国、素材によって価格が異なります。例えば、世界的に実績のあるメーカーのストローマン社やノーベル社などは高めになりやすいです。素材についても、比較的安価で生体親和性が高いチタンか、審美性が高いが高額であるジルコニアかで差が出ます。

上部構造の素材

インプラントの上に装着する被せ物も費用差の大きい部分です。オールセラミックやジルコニアは自然な見た目と耐久性に優れますが、費用は高くなります。ハイブリッド系は比較的安いですが、着色などの経年劣化が出ることがあります。見た目の希望や予算に合わせて選ぶのがポイントです。

治療の難易度や医師の技術

インプラントは外科手術を伴う高度な治療のため、症例が複雑であったり、専門技術が必要とされると費用が上がる傾向があります。ただし、実績が豊富な医師のもとで治療を行えば、長期的に見て安心につながる場合もあります。

骨造成など追加処置の有無

顎の骨の量や高さが不足している場合は、GBR法やサイナスリフトなどで骨を増やす処置が必要になることがあります。その分、費用が加算されます。骨造成が必要かどうかは事前の検査で判断されます。

自由診療のため医院ごとに費用が違う

インプラントは、先天的な疾患で保険適用が認められるケースが珍しいです。多くが自由診療なので治療費は医院が設定しており、同じ内容でも医院によって金額に差が出ます。見積もりの内訳を確認し、比較検討することが大切です。

つまり、見た目の歯1本の価格ではなく、噛める状態を長期間維持するための総合的な治療費と捉えましょう。

お金がないから無理と諦める前に知るべきこと

費用の高さだけを見て、最初から諦めてしまう方は少なくありません。しかし、実際には、インプラントは一括で支払う必要がある治療ではなく、負担を分散できる仕組みがいくつも存在します。

  • 医療費控除の活用
  • クレジットカードやデンタルローンによる分割払い
  • 治療本数の段階的実施
  • 医院ごとの価格設計の違い

これらを組み合わせることで、想像より現実的な負担に抑えられるケースも多いです。総額も大事ですが、実質負担額を確認することです。

医療費控除を活用して実質負担を軽くする

先述しましたが、インプラント費用は医療費控除の対象になるため、確定申告を行うことで所得税の一部が還付されます。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が10万円以上(または所得の5%超)になった際に適用され、上限は200万円です。対象として認められるものには、次のような費用も含まれます。

インプラント治療費
検査、通院費
処方薬代
通院時の交通費(公共交通機関に限る)

治療後にこの申請を行えば、支払った費用の一部が戻ってくる可能性があります。この制度を知らないまま治療を諦めてしまうのは、非常にもったいないと言えるでしょう。

分割払いやデンタルローンで月々の負担を調整する

現在、多くの歯科医院ではデンタルローンや分割払いに対応しています。これは一般的なカードローンとは異なり、医療専用の支払い制度です。当院では月々4,000円~1万円台の支払いに分割可能であり、治療を先延ばしにしなくて済みます。噛めない期間が長く続くと生活の質が低下しますが、それを防ぐことができます。

まとまったお金がないから治療できないではなく、患者さんご自身の生活に合わせて支払う設計ができる時代になっています。

治療計画の見直しで費用を抑える方法

インプラントで必ずしも失った歯すべてを補う必要はありません。治療設計次第で、費用を大きく抑えることができます。代表的な調整方法には次のようなものがあります。

  • 必要最小限の本数だけインプラントを埋入する
  • ブリッジとの併用設計にする
  • 段階的に治療を進める
  • 使用する材料の選択肢を見直す

経験豊富な歯科医師がいれば、機能と費用のバランスを考えた提案を行ってくれます。

インプラント以外の選択肢も比較して検討する

お金がないから入れ歯で我慢と安易に諦めてしまう前に、それぞれの治療法の長期的コストも比較することが大切です。

治療法 初期費用 耐久性 将来的な再治療
入れ歯 安い 短い 作り直しが必要
ブリッジ 中程度 周囲の歯に負担 支台歯の寿命に影響
インプラント 高い 非常に長い 適切管理で長期安定

一見安価な治療でも、作り直しや周囲の歯のトラブルにより結果的に高額になるケースも少なくありません。

費用だけで判断しないことが将来の節約につながる

噛めない状態を放置すると、次のような問題が起こります。

残った歯の寿命が短くなる
咀嚼力低下による健康リスク
見た目の変化による心理的負担
追加治療が必要になり医療費が増加

失った歯の治療を先送りすること自体が将来的な医療費の増大要因になる可能性があります。インプラントは高額な治療ですが、長期的に見れば歯を守る投資と考えることもできるのです。

まとめ


インプラントはお金がないと無理と思われがちですが、実際には、医療費控除で税負担を軽減でき、分割払いで月々の支払いに調整可能で、設計次第では費用を抑えられます。長期的には再治療が少なく経済的で、欠損部分を放置する方が結果的に高くつく場合もあるといったように、複数の方法を組み合わせれば現実的に受けられる治療です。重要なのは、費用の高さだけで判断せず、実質負担の金額や、長期的価値、生活の質改善まで含めて考えることです。

インプラントを検討しているのに費用面で悩んでいる方こそ、まずは信頼できる歯科医院で相談し、自分に合った支払い方法や治療計画を知ることが第一歩になります。