審美歯科

セラミック矯正を選ぶときの注意点とは?

セラミック矯正を選ぶときの注意点とは?

理想の歯並びのはずが、後悔してしまうことも…?

「見た目の印象を変えたい」「人前で笑うことに自信がほしい」
そんな気持ちから、セラミック矯正に興味を持つ方はとっても多いです。

特にSNSやYouTubeなどで“ビフォーアフター”を見て、「私もやってみたい!」と思うのは自然なこと。

でもちょっと待って!
その治療、本当にあなたに合っている方法ですか?
というのも、セラミック矯正は「矯正」と名がつくものの、実は本来の矯正治療(=歯を少しずつ動かす方法)とは全く異なります。

セラミック矯正=歯を削って、セラミック製の被せ物を装着し、見た目を整える治療。歯そのものの位置を動かすわけではないため、本来の不正咬合の根本改善にはならない場合も多いのです。

そして一番のポイントは、削った歯はもう元には戻らないということ。

見た目だけに目を奪われると、後から「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースもあるんです。

知らずに選ぶと後戻りできない?セラミック矯正のリスク

リスク

見た目が整うという大きなメリットの反面、知られにくい“デメリット”もたくさんあります。

主なリスクを詳しく解説

健康な歯を大きく削る必要がある

  • セラミックを被せるために、歯を広い範囲で削る必要があります。
  • 特に前歯を対象とする場合、見た目のバランスを整えるために多く削るケースも。

神経を除去することになる場合がある

  • 削る量が多いと、歯の神経(歯髄)にまで到達してしまい、結果として神経を抜かなければならなくなることも。
  • 神経を取ると、歯の寿命はどうしても短くなります。

歯の寿命が縮むリスク

  • 削った歯はダメージを受けているため、将来的に歯の破折や脱離などのリスクが高まります。
  • 長い目で見たときに、再治療や抜歯につながる可能性もあるのです。

セラミックと歯の境目からの虫歯・歯周病

  • 被せ物と歯の間には、どれだけ精密に作っても“わずかな段差”ができます。
  • ここに歯垢が溜まると、虫歯や歯周病の原因になりやすいです。

期待した仕上がりと異なることも

  • 「もっと白くなると思ってた」「形が気に入らない」といった“完成後のイメージ違い”が起こる可能性もあります。
  • 一度装着するとやり直しが難しいため、事前のデザイン確認が重要。

  つまり、「短期間でキレイになれる」という表面だけに注目すると、後から大きな代償を払うことになるかもしれません。

短期間でキレイに…その魅力に惹かれて

短期間できれいに

セラミック矯正が人気の理由、それは“短期間で印象がガラッと変わること”にあります。

こんな魅力がよく挙げられます:

短期間で結果が出る(早ければ数週間〜数ヶ月)

歯の色・形・サイズを同時に変えられる

芸能人やインフルエンサーもやっている

自分の笑顔に自信が持てるようになる

中には「結婚式までに間に合わせたい」「就活前に第一印象をアップしたい」など、明確な期限がある方にとっては魅力的な選択肢かもしれません。

でも、それだけに「スピード」や「見た目の美しさ」ばかりに意識が向きがち。その裏にある“歯を削ることへの覚悟”や、“将来のメンテナンスの大変さ”などは見落とされがちです。

理想の見た目を手に入れる代わりに、自分の天然の歯を失うことになるかもしれない。この点は、しっかり理解しておきたいところです。

セラミック矯正の注意点を知ろう!

注意点

ここで、患者さんにぜひ知っておいてほしい“セラミック矯正ならではの注意点”を詳しく整理します!

5つの注意ポイントとその解説

健康な歯を削る不可逆性
→ 一度削ってしまった歯は、元には戻せません。将来、より精密な治療が必要になることも。

神経の処置リスク
→ 神経を取った歯は脆くなり、歯の色も変色しやすくなるため、強度や美観の維持が課題に。

“矯正”ではないという誤解
→ セラミック矯正は歯を動かすのではなく、見た目を整えるだけ。咬み合わせや不正咬合の治療にはならないこともあります。

定期的なメンテナンスが必要
→ セラミックは経年で傷がついたり、接着部分にトラブルが出たりすることもあるため、定期的なチェックが不可欠です。

自費診療なので高額になる
→ 一本10〜15万円が目安。前歯6本なら60万円以上かかることもあり、金銭的な計画も重要です。

これらを「知ったうえで選ぶ」ことが、後悔しないための第一歩!

メリットとデメリット、両方の側面から考えることが大切です。

失敗しないために大切な5つのポイント

では実際に、セラミック矯正を選ぶときにどんなことを意識すればいいのでしょうか?

判断基準になる5つの視点

矯正治療と比較検討したか?
→ 歯並びの改善には、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といった“歯を動かす治療”も選択肢として考えよう。

セラミック治療の範囲と削る量を説明してもらったか?
→ どの歯を、どれだけ削るかは重要ポイント。削る量が多い場合はリスクも高くなります。

その医院がカウンセリングを重視しているか?
→ 丁寧にヒアリングし、メリット・デメリットの両面を正直に話してくれるかをチェック。

咬み合わせや歯全体のバランスを考慮しているか?
→ 見た目だけでなく、咬む力や歯の位置関係をちゃんと診てくれる歯科医院が◎。

長期的なフォロー体制があるか?
→ 被せ物が取れた、割れた、再治療が必要になったときの対応があるかを確認。

ポイントは、「一時的な見た目」だけじゃなく「歯の未来」を考えること。
焦らず、じっくり比較して決めましょう!

まずは気軽にカウンセリングを受けよう!

どんなに情報を調べても、「自分にとってどうなのか」はプロと話さなきゃわからないこともあります。

「削らなくても矯正で対応できる?」
「自分の歯はどれくらい削る必要がある?」
「金額的に分割払いはできるの?」

こんな疑問も、歯科医院の無料カウンセリングで全部クリアにできます。
最近では、3Dシミュレーションやモックアップ(仮のセラミックを装着して見た目を確認する方法)を行ってくれるところも増えてきました!

「自分に合うかどうか」「長く付き合っていける歯科医院かどうか」

まずはそこを確かめることから始めてみましょう。

まとめ

セラミック矯正は、短期間で見た目のコンプレックスを解消できる魅力的な方法。
でもそれは、“天然の歯を犠牲にするかもしれない”というリスクと引き換え。

大切なのは…

「見た目の変化」だけで選ばないこと

削る前に、矯正治療など他の選択肢も検討すること

信頼できる歯科医院でじっくり相談すること

「キレイな歯並び=幸せ」じゃなくて、「納得して選んだ治療こそが、自分にとっての最適解」ってことを忘れないでくださいね。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック