口の渇きがつらい…それ、ドライマウスかも？原因と対策をわかりやすく解説

「最近、口の中がいつも乾いている気がする…」
「しゃべっていると舌がひっつく感じがして話しづらい」
そんな違和感を覚えたことはありませんか？

実はこのような症状、「ドライマウス（口腔乾燥症）」と呼ばれる状態かもしれません。
加齢や薬の副作用、ストレス、生活習慣の乱れなど、さまざまな要因で唾液の分泌が減少すると、口の中の潤いが失われ、日常生活に支障をきたすことがあります。

ドライマウスは、単なる「口の乾き」では済まされない問題を引き起こすことも。
虫歯や歯周病のリスクを高めたり、食事や会話がしづらくなるだけでなく、飲み込む力の低下によって誤嚥性肺炎などの重篤な病気に繋がるケースもあります。

この記事では、「ドライマウスの原因と対策」について、患者さんの視点に立ってわかりやすく解説します。「最近、なんとなく口の調子が気になる…」という方は、ぜひ最後までお読みください。

口の中が乾く…それは病気のサインかもしれません

「口の中がネバつく」「しゃべりづらい」「食事がしにくい」と感じたら、それは“ドライマウス”の可能性があります。口の渇きは一時的なものと思われがちですが、慢性的な場合は放置してはいけません。

口の乾燥が続く場合はドライマウスの可能性があり、注意が必要です。

放置すると虫歯や歯周病、誤嚥のリスクも

唾液には、細菌の繁殖を防ぎ、食べ物をスムーズに飲み込む助けをする重要な働きがあります。ドライマウスが続くと、以下のようなリスクが高まります。

虫歯や歯周病の進行
→ 唾液が少ないと歯垢が洗い流されにくくなり、細菌が増殖します。

口臭の悪化
→ 口の中の細菌バランスが崩れ、不快な臭いが発生しやすくなります。

嚥下障害や誤嚥性肺炎
→ 食べ物や唾液がうまく飲み込めず、気道に入ってしまう危険性があります。

会話や食事のしづらさ
→ 口の渇きで滑舌が悪くなったり、食べ物が飲み込みづらくなります。

このように、単なる「口の渇き」とあなどっていると、さまざまな健康リスクにつながる恐れがあります。早期の対応が大切です。

ドライマウスを放置すると、虫歯や誤嚥など多くのトラブルにつながる可能性があります。

実は多くの患者さんが悩んでいます

ドライマウスは中高年の患者さんに多いと思われがちですが、実は若い方にも増えています。原因はさまざまで、生活習慣の影響を受けやすいため、誰でも起こりうる症状です。

1. ストレスや緊張による一時的な唾液分泌の低下
2. 長時間のマスク着用による乾燥
3. 過度なダイエットや水分不足
4. 薬の副作用（降圧剤・抗うつ薬など）
5. 更年期によるホルモンバランスの変化

症状に気づかず慢性化している患者さんも多く、「いつの間にか口が乾いて話しづらくなっていた」と感じて受診されるケースも増えています。

ドライマウスは誰にでも起こる可能性があり、気づかないうちに悪化することもあります。

ドライマウスの主な原因と対策を知りましょう

ドライマウスの症状は、ひとつの要因だけでなく、複数の生活習慣や身体の変化が重なって引き起こされていることが少なくありません。症状を改善するためには、自分の生活や体の状態を見つめ直し、原因に合った対策をとることが重要です。ここでは、代表的な原因とその対策をさらに詳しく解説します。

原因ごとに正しい対策を行うことで、ドライマウスの改善につながります。

1. 薬の副作用による唾液分泌の減少

原因：
高血圧の薬、抗うつ薬、睡眠導入剤、アレルギー薬などの服用により、副作用として唾液の分泌が抑えられることがあります。

対策：

• 服用中の薬について、主治医や薬剤師に「口の渇き」の副作用があるか相談してみましょう。
• 医師の判断で、薬の種類や量の見直しが可能な場合もあります。
• 唾液腺を刺激するための「唾液促進タブレット」や「保湿ジェル」などを併用するのも有効です。

ひとことアドバイス：
自己判断で薬を中止するのは危険です。必ず医療機関に相談を。

2. ストレスや緊張による一時的な乾燥

原因：
人は緊張や不安を感じると、自律神経の働きによって唾液の分泌が一時的に減少します。仕事や人間関係、試験などの心理的ストレスが影響することがあります。

対策：

• 十分な睡眠と休息をとる。
• 軽い運動や深呼吸など、リラクゼーションの習慣を取り入れる。
• 趣味の時間を意識的に作り、ストレスを和らげる。

ひとことアドバイス：
「緊張すると口が渇く」というのは自然な反応。日々のケアで負担を減らしましょう。

3. 水分不足・口呼吸・乾燥した環境

原因：
体の水分が不足すると唾液も作られにくくなります。また、口呼吸や乾燥した部屋の空気も、口の渇きを悪化させます。

対策：

• こまめな水分補給（1日1.5?2リットルが目安）
• 就寝時の加湿器の使用
• 鼻呼吸の習慣づけ（鼻炎があれば耳鼻科での治療も検討）
• 就寝時に口が開く方は、マウステープの使用も有効です

ひとことアドバイス：
水分はこまめに少量ずつ摂ることが効果的です。のどが渇く前に意識しましょう。

4. 更年期や加齢によるホルモンバランスの変化

原因：
特に中高年の女性は、更年期を迎えることでホルモンの変化が起こり、唾液の分泌が減少することがあります。また、年齢とともに唾液腺の機能が自然に低下することもあります。

対策：

• よく噛んで食べることで唾液腺を刺激
• キシリトール入りのガムを噛む習慣
• 唾液腺マッサージ（耳下腺・顎下腺・舌下腺の刺激）
• 保湿機能のある口腔ケア製品の活用

唾液腺マッサージの一例：

1. 指で耳の前（耳下腺）を円を描くようにやさしくマッサージ
2. 顎の骨の内側（顎下腺）を下から上に押し上げるように刺激
3. 舌の下（舌下腺）を指で軽く押さえる

ひとことアドバイス：
毎日のマッサージは継続がカギ。お風呂上がりなど、リラックスした時間に取り入れましょう。

原因を知れば対策ができる

ドライマウスの症状はつらいものですが、原因を正しく理解し、それに合わせた対策を取れば、症状の軽減や予防が可能です。

水分補給と鼻呼吸の習慣化

ストレス管理と質の良い睡眠

唾液腺マッサージやガムを使った刺激

必要に応じて歯科医院での相談・ケア

といった方法を生活に取り入れながら、自分に合った対策を見つけていきましょう。
「なんとなく我慢している乾き」に、今日から目を向けてみることが、健やかな口内環境への第一歩です。

歯科医院でのケアで改善できることがあります

ドライマウスの原因が複雑な場合や、自宅でのケアでは改善が難しいときは、歯科医院での専門的な診断と治療が有効です。

唾液量の測定や唾液腺機能のチェック

1. 唾液分泌促進のアドバイスや専用製品の使用
2. 保湿ジェルやスプレーの処方
3. 虫歯や歯周病の予防処置
4. 口腔内環境を整えるための定期的な健診

歯科医師と連携しながら対処することで、症状が緩和され、日常生活が快適になる可能性が高まります。

歯科医院では、ドライマウスに応じた専門的なケアが受けられます。

我慢せず、まずは健診を受けてみましょう

口の渇きが気になる方は、症状を放置せず、早めに歯科医院に相談してみてください。ドライマウスは、軽度の段階であれば生活習慣の改善で十分に対応できます。気になる症状は、我慢せずに相談することが大切です。

口の渇きに気づいたら、早めの相談が改善のカギです。

まとめ

その「乾き」、がまんしないで大丈夫です

口の中の乾きは、つい「たいしたことない」と思ってしまいがちですが、実はお口や全身の健康に深く関わっています。ちょっとした違和感でも、毎日の暮らしの中では想像以上にストレスになりますよね。

でも安心してください。ドライマウスは、原因に合わせた対策や歯科医院でのサポートによって、症状の改善が期待できます。水分補給や生活習慣の見直しなど、すぐにできることから始めてみませんか？

「なんとなく気になる」「最近よく喉が渇く気がする」
そんな小さなサインこそ、体からの大切なメッセージかもしれません。

がまんせず、まずは一度、歯科医院で相談してみましょう。
あなたの毎日がもっと快適で、笑顔になれるように、私たちがお手伝いします。