インプラント

インプラントの痛みはどのくらい?手術中から治療後まで解説

インプラントの痛みはどのくらい?

クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人

インプラント手術は痛い?

手術中は麻酔によって強い痛みを感じることはほとんどなく、術後も一時的な腫れや軽度の痛みが数日間続く程度です。適切なケアと服薬を行えば、耐えられないような強い痛みが長く続くことはまずありません。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラント手術を考えているが「痛み」に不安がある方
  • 手術中・術後の痛みの程度を事前に知りたい方
  • 実際にどんなケアが必要になるのか知りたい方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント手術中に感じる痛みの程度
  2. 術後の腫れや痛みの目安と続く期間
  3. 痛みを軽減するためのポイントや過ごし方
  4. 痛みが強い場合に考えられるトラブルと対策

 

インプラント手術は痛いの?どのくらい感じるの?

インプラント手術中は局所麻酔を使用するため、痛みを強く感じることはほとんどありません。歯ぐきや骨に処置を行うため、麻酔が効いている状態では「圧迫感」や「振動」を感じることはあっても、鋭い痛みは基本的にありません。全身麻酔や静脈内鎮静法が選択される場合もあり、不安を軽減しながら快適に治療を受けることができます。

手術中は麻酔が効いているため、強い痛みは感じません。

手術中に感じやすいこと

  • 局所麻酔の効果 → 痛みは抑えられる
  • 骨を削るときの音や振動 → 感覚として残ることがある
  • 緊張や不安による不快感 → 痛みではなく心理的要因

これらは「痛み」そのものではなく、感覚的な違和感として現れることが多いです。手術自体は麻酔によって十分にコントロールされているため、患者さんが強い痛みに耐える必要はありません。

手術後の痛みはどのくらい続くの?

術後は麻酔が切れた後に軽度の痛みや腫れを感じることがありますが、多くの場合は2〜3日程度でピークを迎え、その後は落ち着いていきます。一般的な抜歯後の痛みと同程度か、やや軽いと感じる方もいます。痛み止めを処方されるので、服用すれば日常生活に支障をきたすことはほとんどありません。

術後の痛みは数日で治まり、薬でコントロール可能です。

術後の痛みの経過目安

  • 1日目〜3日目 → 腫れや軽度の痛みが出やすい
  • 4日目〜7日目 → 徐々に改善
  • 1週間以降 → ほとんど痛みが消える

このように、痛みは時間の経過とともに軽快していきます。長期間強い痛みが続く場合は、感染や炎症の可能性もあるため注意が必要です。

インプラント手術後の痛み・腫れの経過目安

時期 痛みの程度 腫れの状態 日常生活への影響
手術直後(麻酔が効いている間) ほとんどなし なし 通常通り過ごせる
術後1〜3日 軽度〜中等度の痛み(痛み止めでコントロール可能) 腫れやすい、特に2日目がピーク 柔らかい食事を中心にすれば支障は少ない
術後4〜7日 痛みが徐々に軽減 腫れが引き始める 普段の生活に戻れるが激しい運動は控える
術後1週間以降 ほぼ痛みなし 腫れもほぼ解消 通常の食事・生活に戻れる

このように、インプラント手術後の痛みや腫れは時間の経過とともに軽快していきます。多くの患者さんが「想像していたより痛みが少なかった」と感じています。もしこの一般的な経過から外れて痛みが強まる・1週間以上続く・膿や出血があるといった場合は、炎症や感染の可能性もあるため早めに歯科医院を受診することが大切です。

どんなときに痛みが強くなることがある?

一部の患者さんでは通常より強い痛みを感じることがあります。これは処置の規模や体質、生活習慣、持病の有無などが関係します。特に骨造成を伴う手術では侵襲が大きくなるため、腫れや痛みが強く出やすいです。

骨造成や体質によって痛みが強く出ることもあります。

痛みが強くなる要因

  1. 大規模な手術(骨造成など) → 組織への負担が大きい
  2. 感染リスクの高い状態 → 歯周病や口腔内の不衛生
  3. 体質や免疫力の差 → 回復力の違いによって影響
  4. 生活習慣(喫煙・飲酒) → 治癒が遅れやすい

これらの要因が重なると、術後の炎症反応が強くなり痛みが増すことがあります。そのため、術前の準備や生活習慣の見直しが重要です。

痛みを和らげるためにできることは?

インプラント治療後の痛みは適切なセルフケアによって大きく軽減できます。特に重要なのは、処方された薬を正しく服用することと、患部に負担をかけない生活を送ることです。

また、冷却・食事の工夫・清潔保持・生活習慣の見直しなどが効果的です。痛みを和らげるための工夫は、治癒を早めることにもつながります。

逆に自己判断で無理をすると、痛みが悪化したり、治療の経過に悪影響を及ぼす場合があるため注意が必要です。

薬の服用、冷却、清潔にすることなどで痛みを和らげられます。

痛みを軽減する具体的な方法

処方された薬を正しく服用する

歯科医師が処方する鎮痛薬や抗生物質は、痛みや炎症を抑えるために重要です。自己判断で服用をやめず、指示されたタイミング・期間を守ることが大切です。

患部を冷やす

術後数時間は頬の外側を冷やすと腫れや痛みを抑えられます。ただし、直接氷を当てるのではなく、タオルで包んだ保冷剤を10分程度あてて休むようにしましょう。

柔らかく刺激の少ない食事を選ぶ

硬いもの・辛いもの・熱いものは避け、スープやヨーグルト、煮込んだ野菜など噛む負担の少ない食事を心がけると痛みが和らぎます。

口腔内を清潔に保つ

術後は傷口に食べかすや歯垢が溜まると炎症の原因になります。患部を避けつつ、他の部分は丁寧に歯磨きを行い、指示があれば殺菌作用のあるうがい薬を活用します。

安静を心がける

術後すぐに激しい運動や入浴・飲酒をすると血流が増え、痛みや出血が悪化します。2〜3日は無理をせず、できるだけ安静に過ごすことが望まれます。

これらを徹底することで、痛みを早く和らげることができ、治癒のスピードも向上します。

このように、インプラント治療後の痛みは、患者さん自身のセルフケア次第で大きく変わります。特に薬の服用と生活習慣の工夫は欠かせません。冷却や食事の工夫によって炎症を抑えつつ、清潔を保つことで治癒を促進できます。

反対に、安静を守らずに無理をしたり、喫煙・飲酒を早期に再開してしまうと、痛みが長引くだけでなく、感染やインプラント周囲炎などのトラブルにつながる恐れもあります。

つまり、「痛みを和らげるための対策=インプラントを長持ちさせる基本的なケア」でもあるのです。

痛みが長引いたり強い場合はどうすべき?

通常は数日で落ち着く痛みが、1週間以上続いたり強くなる場合は要注意です。感染やインプラント周囲炎が起きている可能性があるため、早めに歯科医院を受診する必要があります。自己判断で放置すると、治療のやり直しやインプラントの除去が必要になることもあります。

強い痛みが長引くときは早めに受診が必要です。

受診が必要なサイン

  1. 痛みが日ごとに強くなる
  2. 腫れがひどく熱を伴う
  3. 出血や膿が続く
  4. 噛むと強い違和感がある

これらのサインを見逃さず、早めに対応することがインプラントを長持ちさせる鍵になります。

まとめ

インプラントの痛みは適切なケアで抑えられる

インプラント手術中は麻酔で痛みをほとんど感じず、術後も一時的な痛みや腫れが数日間ある程度です。生活習慣や手術の規模によって差はあるものの、適切な薬の使用とセルフケアで十分にコントロール可能です。もし長引く痛みや異常がある場合は早めに受診し、合併症を防ぐことが大切です。

インプラントの痛みは一時的で、適切なケアで抑えられます。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック