インプラント手術後は腫れますか?腫れの期間と正常な経過、注意点

クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人

インプラント手術後は腫れますか?

インプラント手術後は、処置内容や体質によって腫れることがあります。ただし多くの場合は一時的なもので、数日〜1週間ほどで落ち着いていきます。腫れの有無や程度には個人差があり、「腫れた=異常」とは限りません。

この記事はこんな方に向いています

  • インプラント手術後の腫れがどの程度なのか知りたい方
  • 腫れが出たときに慌てず対応したい方
  • 手術後の経過が正常なのか不安を感じている方

この記事を読むとわかること

  1. インプラント手術後に腫れが起こる理由
  2. 腫れやすいケースと腫れにくいケースの違い
  3. 腫れを抑えるためにできる具体的な対策
  4. 注意すべき腫れのサイン

 

インプラント手術後、なぜ腫れることがあるのですか?

インプラント手術後の腫れは、体が傷を治そうとする自然な反応です。歯ぐきや顎の骨に処置を行うため、炎症反応として腫れが出ることがあります。

腫れは体の回復反応の一つです。

インプラント手術では、歯ぐきを切開し、顎の骨にインプラント体を埋め込みます。この刺激に対して体は「治癒モード」に入り、血流を増やし、白血球などを集めます。

手術後に起こりやすい体の反応

以下は、インプラント手術後によく見られる反応を整理したものです。

反応の種類 内容 心配の目安
腫れ 頬や歯ぐきがふくらむ 徐々に引けば問題なし
痛み 押すと違和感がある 痛み止めで対応可能
熱感 患部が少し熱っぽい 数日で落ち着くことが多い
内出血 青紫色になることがある 自然に消えることが多い

インプラント手術後の腫れは、外科処置に対する体の防御反応として起こります。
歯ぐきの切開や顎の骨への処置が加わることで、体はその部位を守り、修復しようとします。

具体的には、血管が広がり血流が増えることで、治癒に必要な成分が集まりやすくなります。その結果、一時的に組織内に水分がたまり、腫れとして見える状態になります。

表で示したような腫れ・痛み・熱感・内出血は、多くの場合がこの治癒過程の一部です。
大切なのは、「腫れが出たかどうか」ではなく、「時間の経過とともに落ち着いていくかどうか」という点です。

出典:腫れますか?(神奈川県歯科医師会)

インプラント手術後の腫れはどのくらい続きますか?

腫れのピークは手術後2〜3日目で、その後は徐々に引いていくケースが多いです。1週間ほどで見た目の違和感は落ち着くことが一般的です。

多くは数日〜1週間で落ち着きます。

腫れの経過にはある程度の共通パターンがあります。以下の表は、一般的な経過の目安です。

腫れの経過の目安

時期 腫れの状態 過ごし方のポイント
手術当日 ほとんど腫れない〜軽度 安静に過ごす
1〜2日目 徐々に腫れ始める 冷却を意識
2〜3日目 腫れのピーク 無理をしない
4日目以降 少しずつ改善 通常生活へ

腫れの経過にはある程度の共通パターンがありますが、腫れの出方や引き方には個人差があります。
そのため、表はあくまで目安として捉えることが大切です。

多くの方は、手術直後よりも2〜3日後に腫れが目立つことに戸惑いますが、これは炎症反応がピークを迎える時期にあたるためです。その後、体の回復が進むにつれて、徐々に腫れは軽減していきます。

1週間ほど経過して、見た目や違和感が大きく改善していれば、経過としては問題ないケースがほとんどです。
逆に、「日を追うごとに悪化している」場合は、別の要因を疑う必要があります。

インプラント手術後、腫れやすい人の特徴はありますか?

手術内容や体質、生活習慣によって腫れやすさは変わります。特定の条件が重なると腫れが出やすくなる傾向があります。

腫れやすさには個人差があります。

以下は、腫れが出やすくなる代表的な要因です。

腫れやすさに影響する要因

要因 理由
骨造成を行った 処置範囲が広いため
手術時間が長い 組織への刺激が増える
体質 炎症反応が出やすい
喫煙・飲酒 回復を妨げやすい

腫れやすさは、手術内容だけでなく、体質や生活習慣にも左右されます
そのため、同じような処置を受けても、腫れ方がまったく違うということも珍しくありません。

たとえば骨造成を行った場合、処置範囲が広くなるため、体の反応も大きくなりやすい傾向があります。また、喫煙や飲酒は血流や治癒に影響し、腫れが長引く原因になることがあります。

表に挙げた要因に当てはまっていても、腫れが徐々に引いているのであれば、多くは想定内の経過です。「腫れやすい=トラブルが起きている」ではないという点は、ぜひ知っておいてほしいポイントです。

インプラント手術後の腫れを抑えるためにできることは?

手術後の過ごし方によって、腫れの程度は大きく変わります。適切なセルフケアを行うことで、腫れを最小限に抑えることが期待できます。

術後の行動が腫れを左右します。

腫れを抑えるために意識したいポイントは以下の通りです。

腫れを抑えるための行動

行動 理由
安静に過ごす 体の回復を優先する
患部を冷やす 炎症を抑える
入浴・運動を控える 血流の上昇を防ぐ
薬を正しく服用 痛みと炎症を抑制

これらを守ることで、腫れのピークを軽くし、回復をスムーズに進めることが期待できます。

  1. 手術当日は安静に過ごす
    → 体を休めることで回復がスムーズになります。
  2. 患部を冷やす
    → 冷却により炎症反応を和らげます。
  3. 長時間の入浴や運動を控える
    → 血流が過度に上がるのを防ぎます。
  4. 指示された薬を正しく服用する
    → 炎症や痛みのコントロールに重要です。

腫れを抑えるうえで重要なのは、「特別なことをする」よりも、やってはいけないことを避ける意識です。術後に無理をすると、体が回復に使うエネルギーが分散してしまいます。

表にまとめた行動は、どれも基本的な内容ですが、実際には守られていないケースも少なくありません。特に、長時間の入浴や飲酒は「少しくらいなら大丈夫」と考えがちですが、腫れを強める原因になることがあります。

歯科医院から指示された内容を丁寧に守ることが、結果として腫れを最小限に抑え、回復を早める近道になります。

インプラント手術後、この腫れは注意した方がいいですか?

通常の腫れと、受診が必要な腫れには違いがあります。経過を見極めることが大切です。

腫れが徐々にひどくなる場合は要注意です。

次のような状態が見られる場合は、歯科医院への連絡を検討しましょう。

受診を検討した方がよいサイン

状態 注意点
腫れが増し続ける 炎症や感染の可能性
強い痛み・発熱 早めの確認が必要
膿が出る 感染の疑い
1週間以上続く 通常経過から外れる

「時間とともに改善しているかどうか」が、受診判断の大きな目安になります。

多くの腫れは自然に引いていきますが、すべてを自己判断で様子見するのはおすすめできません。重要なのは、「改善傾向にあるかどうか」を冷静に見ることです。

表に挙げたように、腫れが強くなり続けたり、発熱や膿を伴う場合は、感染など別の問題が関係している可能性があります。こうした場合は、早めに歯科医院へ相談することで、重症化を防げるケースが多くあります。

「こんなことで連絡していいのかな」と迷う必要はありません。不安を感じた時点で相談すること自体が、適切な行動です。

インプラント手術後の腫れは失敗のサインですか?

腫れが出たからといって、インプラント治療が失敗しているとは限りません。むしろ多くの場合は身体に傷が出来た後、正常な状態に戻ろうとする経過の一部と考えられます。

腫れ=失敗ではありません。

インプラント治療では、「腫れが出ないこと」よりも「その後きちんと落ち着くこと」が重要です。腫れの出方や引き方を丁寧に確認しながら、歯科医院と二人三脚で経過を見ていくことが、安心につながります。

まとめ

インプラント手術後の腫れは、「体が治ろうとしている途中経過」と考えると、見え方が変わります。

腫れをゼロにすることよりも、腫れが想定内で、適切にコントロールされているかが大切です。不安を我慢せず、疑問があれば歯科医院に相談する姿勢こそが、結果的に安心と成功につながります。

関連ページ:クローバー歯科あべの天王寺院のインプラント治療