歯科における審美的治療とはどのようなものでしょうか。歯科で行う審美的治療について詳しくご紹介いたします。
一般歯科と何が違う？
審美的治療の説明の前に、まず一般歯科についてご説明します。一般歯科で行う治療とは、通常の患者様が通院した際に受ける歯を健康にするための治療です。虫歯や歯周病は、口腔内の細菌感染が原因で感染します。放置するとどんどん歯や歯肉の状態が悪化し、噛む機能や、話す際の発音に影響を及ぼします。
- 歯根に細菌が進行すると膿が出る
- 膿が出た状態を放っておくと歯冠を喪失するリスクがある
このような状態を歯科医師が処置を行い、歯周組織を健康な状態へ改善するのが、一般歯科で行う治療です。噛むなどの咀嚼機能を復活させるという歯の機能の改善に重点を置きます。一般歯科で行われる治療には保険適用で行えるものが多いため、自己負担額も抑えられ、料金はどの医院でも変わりません。
審美的治療とは
歯科における審美的治療とは何でしょうか。美容整形と似たようなイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが、その実は違います。審美的治療とは、一般歯科で行う虫歯などの治療でも、外側からの審美性に配慮をしているという点が大きく異なります。
- 虫歯治療の際に金属の詰め物・被せ物ではなく、セラミックの詰め物・被せ物ができる
- 白い歯にするためにホワイトニングの施術を行う
- 歯並びのデコボコを整えるために、歯を削ってセラミックを被せる
金属で作製された詰め物や被せ物（補綴物）は、いずれも歯の色からは浮いて見え治療の歯がすぐに周囲にわかりますが、審美歯科の材料で補綴を行うと、見た目にもわかりません。
セラミックの詰め物・被せ物
- 陶器と同じ材質で光の透過性が自然なオールセラミックは前歯におすすめ
- 人工ダイヤモンドと強度のあるジルコニアで作製されたジルコニアセラミックは強固な力で噛む奥歯におすすめ
- 歯科技工士ではなくコンピューターでセラミックのブロックを削るセレッククラウンはどのセラミックより安価
ホワイトニング
- 歯科医院で行うホワイトニングには、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングがある
- 高濃度の薬剤を歯に浸透させ、歯の着色を分解し、白い美しい歯の色にする
オフィスホワイトニング
- オフィスホワイトニングは歯科医院で歯科衛生士が行うホワイトニング
- 薬剤を歯の表面に塗布し光を照射して白くするので即効性はあるが、長く白さを保つことができない
ホームホワイトニング
- ホームホワイトニングは歯科医院で患者様ご自身の歯型のトレーを作製する
- 患者様のご自宅で薬剤をご自身でトレーに入れ、じっくりと浸透させるホワイトニング
- オフィスホワイトニングと異なり、即効性はないが、白い期間を長く保つことができる
ホワイトニングの治療を希望された方は、必ずその前に歯科衛生士によるクリーニングを受診されることをおすすめします。
セラミック矯正
- 前歯のデコボコや大きさを整えたい場合は、歯を削ってセラミックを被せてきれいな歯並びにする矯正（スピード矯正）
- 歯列矯正と違う最大のメリットはセラミック矯正の方が早く治療を終えられ、歯の形を選べること
審美的治療のメリット・デメリット
審美歯科で行う治療と、一般歯科で行う治療の差を簡潔にまとめると、下記の三つです。
- 費用
- 材料
- 見た目
では、歯科における審美的治療のメリット・デメリットをご案内します。
費用
- 自由診療制であるため、審美歯科の料金が医院によって異なる
- 自由診療制であるため、費用が一般歯科の治療と比べて自己負担額が100％となり高い
材料
- 保険適用の歯科治療では使用できる材料が限定されるが、審美歯科では多くの材料から選択できる
- 型どりをより緻密にできるため、保険と比べて歯科の補綴物（ほてつぶつ）が精密な仕上がりとなる
見た目
- 保険適用の治療より多くの材料から選択できるため、歯の機能を損なわずに美しいお口元にできる
- 色が天然歯と変わらない材料を選択されると、見た目ではどの歯を削って治療をしたのかわからない
- 金属の補綴物に比べて強度が若干劣る
セラミックによる矯正を行うと、健康な歯を削ってクラウンを被せます。そのため、歯の健康寿命という点においては、大きなデメリットと言えます。
歯科の審美的治療に関するQ&A
一般歯科は通常の患者の歯を健康にするための治療で、虫歯や歯周病の治療を主な焦点とします。一方、審美的治療は虫歯治療などでも外見の美しさに配慮し、セラミックの詰め物や被せ物を使用して見た目にも自然な仕上がりを目指します。
審美的治療で使用されるセラミックの詰め物や被せ物は、歯の色と自然な光の透過性を持ち、見た目にも周囲の歯と調和します。陶器と同じ材質のオールセラミックは前歯に適し、ジルコニアセラミックは強度があり奥歯に適しています。
まとめ
歯科における審美的治療とは、外面から見た美しさと機能の改善がある程度両立しています。但し、歯の噛み合わせ等まで審美歯科の治療で治せるかというと難しい面があります。噛み合わせも悪いし歯並びも気になるという方は、矯正歯科で歯並びを治療されると良いでしょう。
