歯と口の基礎知識

噛むと身体にどんな効果がある?

噛むと身体にどんな効果がある?

クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人

食べ物を歯できちんと噛むことの効果、および必要性についてご紹介します。

噛むとどんな効果がある?

きちんと噛むと身体に下記のような効果や働きがあります。

胃腸の負担を減らす

前歯で食べ物を小さくちぎり、奥歯ですりつぶす噛み方を毎日行っていれば、食べ物は細かくなります。細かくなった食べ物は唾液と混ざり、消化がしやすくなるため、胃や腸の負担が減ります。

脳を刺激する

歯を支えている骨(歯槽骨)と歯根の間にある歯根膜の神経は、脳の中枢神経につながります。噛むことが脳の刺激になり、脳内の血流が増え、前頭前野の機能が活発化します。

食べ過ぎを防ぐ

時間をかけてしっかりと噛むと、脳内の満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防げます。理想としては一口入れるたびに、回数としては30回咬む習慣をつけることが理想です。食べ過ぎを防げれば、体形維持ができ、肥満防止にもなります。

お口周りの筋肉を鍛える

お口の周りには様々な筋肉があります。骨格につながる咬筋を使用すると鍛えられ、口輪筋、舌筋、表情筋など顔の表情にも影響を及ぼします。永久歯に生え変わる前の子供は、顎の成長にも直結します。不正咬合(受け口)は、上あごの発達ができず起こることも多いので、咀嚼を行いましょう。

食材本来の味を楽しめる

しっかり噛むと食べ物の味や噛み心地や歯ごたえが変化し、味覚だけではなく、酵素や栄養素がきちんと摂取することができます。

現代人は噛む回数が減少している?

一般的に、現代人は時間に追われているイメージがあります。昭和の初期は一食当たりの咀嚼回数が1400回以上に比べ、現代ではおよそ600回ほどに減少しています。

食べる際の咀嚼回数が多ければ、咀嚼の時間も長くなるのが通常です。昭和初期には一食当たり20分以上じっくり時間をかけるのに対して、現代では半分の約10分ほどと言われ、忙しい現代を表しています。

歯でしっかり噛めなければどうなる?

噛めない状態になれば、日常の食事における楽しみを失います。食生活の豊かさだけではなく、咬む刺激が顎の骨や脳に伝達しないため、多くの歯が抜けやすい状態に陥ります。

残念ながら歯が抜けると、歯科医院で義歯(インプラント・入れ歯・ブリッジ)の装着をしなければなりません。洗浄を怠った義歯の装着をすると、細菌感染が起き、むし歯や歯周病のリスクがあります。そうなれば、ご自身の残存歯にダメージがあります。歯磨きが十分に行えないケースですと、歯肉の炎症や、抜歯という問題を引き起こす可能性があります。

噛むことの身体への効果に関するQ&A

噛めない状態になるとどうなりますか?

噛めない状態になると、日常の食事の楽しみを失うだけでなく、咬む刺激が顎の骨や脳に伝達されないため、多くの歯が抜けやすい状態になります。歯が抜けると、歯科医院で義歯(インプラント・入れ歯・ブリッジ)を装着する必要があります。義歯の洗浄を怠ると、細菌感染が起き、むし歯や歯周病のリスクが生じます。また、歯磨きが不十分な場合には、歯肉の炎症や抜歯の問題が起こる可能性もあります。

噛むことの胃腸への効果はありますか?

噛むことによって食べ物が細かくなり、唾液と混ざることで消化がしやすくなります。そのため、前歯で食べ物を小さくちぎり、奥歯でしっかりと噛む噛み方を毎日行うことで、胃や腸の負担を減らすことができます。

噛むことが脳にどのような効果をもたらすのでしょうか?

歯を支える骨(歯槽骨)と歯根の間にある歯根膜の神経は、脳の中枢神経につながっています。噛むことによってこの歯根膜の神経が刺激され、脳内の血流が増え、前頭前野の機能が活発化します。つまり、噛むことは脳を刺激し、血流や脳の機能を活性化させる効果があります。

まとめ

歯のキャラクター

食事の際になるべくゆっくり時間をかけて噛むと、唾液が多く分泌され、お口の中のリスクが減ります。しっかり噛んで正しい歯みがきを続けていると、結果的に歯の健康にもなります。噛み合わせによりうまく噛めないなどのお悩みがある場合は、クリニックへ通院し、歯科医師やスタッフに相談をしましょう。

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