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子供の歯ぎしりの原因は?治す方法はある?

子供の歯ぎしりの原因は?治す方法はある?

クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院 歯科医師 永井 伸人

「子供が歯ぎしりをしているのでやめさせたい」
「子供の歯ぎしりを放っておいても大丈夫?歯がボロボロにならないの?」

小さなお子さんが大きな音を立てて歯ぎしりをしていると、お父さんやお母さんはとても心配になると思います。

歯ぎしりはものすごい力がかかっているので、お子さんの歯に悪影響があるのではと気になるのは自然なことです。

お子さんの歯ぎしりはどのような原因で起こり、そのままにすると問題があるのか、治す方法はあるのかについてご説明します。

子どもはなぜ歯ぎしりをするの?

寝ている子供

大人の歯ぎしりの理由は医学的には解明されていません。しかし子供の歯ぎしりの場合は、歯を擦り合わせることで噛み合わせの違和感を解消し、歯の噛み合わせを正しい位置にもっていこうと調整している、いわゆる生理現象のようなものではないかという考えが有力です。

歯ぎしりは乳歯が生え始めてすぐの赤ちゃんにも起こります。乳歯から永久歯への生え変わりの時期にも歯ぎしりが起こることが多く、お子さんが上下の歯の咬合の調整を無意識で整え、バランスを取る為に歯ぎしりをする子がいると考えられています。この場合は特に問題がないので大丈夫と言われています。

噛み合わせの調整のために歯ぎしりを行っている場合は、昼夜問わず歯ぎしりをするのが特徴ですが、成長過程にあるお子さんであったとしても夜寝ている間だけ歯ぎしりが起こっている場合は、注意が必要です。

大人もそうですが、子供も睡眠中の歯ぎしりはストレスによるものである可能性が高いため、子供を取り巻く環境が子供にストレスを与えていないか、ストレスの原因になっているものがないか、考える必要があります。

特に永久歯に完全に生え変わった6歳以降にも引き続き歯ぎしりが起こっている場合は、注意しなければなりません。小さいころから歯ぎしりを続けていると、歯が大きくすり減ったり歯並びが悪くなったりと、様々な悪影響が考えられます。

歯ぎしりの際に歯にかかる力は、体重の2倍であると言われています。中学生、高校生のお子さんは歯ぎしりにかかる力も大人と同じくらいに大きいため、歯への影響が懸念されます。歯がすり減っていたり、虫歯等の歯の治療が必要であったり、強い力で歯を擦ったり噛みしめたりしているために痛みが出ている場合もありますので、まずは歯科医院にご相談ください。

子供がストレスをためていないか?

遊んでいる子供

ストレスが原因での歯ぎしりは、大人ばかりでなく子供にも起こります。子供はストレス解消のための様々な方法を知りませんので、無意識のうちに夜の歯ぎしりで解消している可能性があります。

  • 爪を噛む
  • おねしょをする
  • 癇癪持ちである
  • 学校や幼稚園に行きたがらない
  • 体調が悪い
  • じんましんが出る
  • 不機嫌そうに見える

これらのことが習慣的に起こっている場合がありますので、日常生活の中で、お子さんがストレスにさらされていないか、よく注意してお子さんの状態を観察しましょう。

色々な種類の食べ物を良く噛んで食べる

彩りの良い食事

大人もそうですが、美味しいものを良く噛んで味わって食べることは、ストレス解消に繋がります。お子さんが偏食にならないよう、様々な食材を色んな調理法で料理して、出来るだけバラエティに富んだ食事になるよう、一週間の献立をたててみましょう。和やかなリラックスした雰囲気でご家族が食卓を囲む雰囲気作りも大切です。

食事の影響についてご心配な方は、食育に関するご相談は、各自治体の子育て相談窓口や児童相談書、地域の保健センターなどでも受け付けてもらえますので、親御さんは一人で抱え込まないようにしましょう。

歯ぎしりを続けることで起こる悪影響について

歯ぎしりをすると筋肉が緊張して歯や顎に大きな力がかかりますので、様々な症状が起こり、歯医者の受診が必要になります。

  1. 歯が磨り減る
  2. 歯周病が悪化する
  3. 知覚過敏を引き起こす
  4. 顎関節症のリスクがある
  5. 肩こり・頭痛が起こる
  6. 歯並びが変化してしまう

歯科で出来る歯ぎしりの対策

歯ぎしりによる歯へのダメージを改善するために、歯医者で出来る対処方法についてご説明します。

就寝中につけるマウスピース「ナイトガード」

ナイトガード

お子さんの歯ぎしり自体を直接治療することは難しいのですが、歯ぎしりによる歯のダメージから歯を守るために、寝ている間だけナイトガードと呼ばれるマウスピースをつけていただく対症療法が一般的です。

睡眠中にナイトガードをつけると、歯ぎしりや噛みしめの力が歯に強くかからないようにクッション材の役割をします。そのため歯が削れてしまうくらい強く歯ぎしりをしてしまう子供には、まずナイトガードで歯を守りましょう。

知覚過敏が起こっている場合

お子さんの歯のエナメル質が歯ぎしりによって削れてしまって知覚過敏が起こっている場合は、その部分に薬を塗って痛みを緩和することが出来ます。知覚過敏による痛みが続く場合は、痛み止めを服用して頂くこともあります。しかし痛み止めを長期にわたって使用するのは身体への負担を考えると好ましくありません。そのため、削れている箇所をレジンでコーティングする時もあります。

子供の歯ぎしりの原因と治療方法に関するQ&A

子供が歯ぎしりをする理由は何ですか?

子供の歯ぎしりは、噛み合わせの調整やストレス解消のために行われる生理現象の可能性があります。

子供の歯ぎしりは何歳から始まるのですか?

子供の歯ぎしりは乳歯が生え始めてすぐの赤ちゃんから始まり、永久歯への生え変わりの時期にもよく見られます。

夜寝ている間だけ歯ぎしりが起こる場合、注意が必要ですか?

夜寝ている間だけ歯ぎしりが起こる場合は、成長過程にあるお子さんであっても注意が必要です。子供の歯ぎしりはストレス解消の一つとして行われることがあり、子供がストレスをためているかどうかを注意深く観察する必要があります。

まとめ

就寝中の子供

お子さんの歯ぎしりを気にされている親御さんは多いです。しかし子どもの歯ぎしりの多くは大きな音をたてていても生理現象ともいえるものなので、概ね問題はありません。ただし永久歯に生え変わってから夜間の歯ぎしりが続く場合は、歯にダメージを与えている可能性が高いため、そのまま放置せずに早めに歯科を受診しましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 クローバー歯科・矯正歯科 あべの天王寺院
院長 永井 伸人

徳島大学 歯学部卒業卒業。日本口腔インプラント学会。日本顎咬合学会。

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クローバー歯科・矯正歯科あべの天王寺院

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック